アメリカ高校留学の基礎知識編
アメリカ高校留学の魅力
アメリカ留学は一言でいうと、「憧れの国で留学し、自立した自分になりたい人」向けの国です。では、その理由をアメリカ留学の魅力としてご案内します。
本場のアメリカ英語を学べる
世界でもっとも多くの人に話されているのがアメリカ英語。そして、そのアメリカ英語の本場はもちろんアメリカです。グローバルスタンダードであるアメリカ英語を学べるというのは大きな魅力といえます。
また、私たち日本人が習っている英語もアメリカ英語のため、イギリス英語圏に比べると聞きやすく、授業の内容が入りやすいです。
留学生の受入れに柔軟
アメリカは多種多様な人種と文化が入り混じっており、「人種のサラダボウル」ともいわれています。
そのため、留学生に抵抗感がある人はほぼいないため、自分が外国人であることをあまり感じないくらい留学生に対する隔たりがなく、心地よく留学生活をすることができます。
多種多様な言語・文化・価値観に触れる機会が多い
「人種のサラダボウル」アメリカではさまざまな人種の移民や留学生がおり、高校生活のなかで多種多様な言語・文化・価値観を学ぶことができます。
アメリカは特に個性や自分の考えを重視する国ですので、そのなかから学び、得られる多様性というのはほかの国に類がありません。
ボーディング(寮)が充実している
アメリカの高校留学はボーディング(寮)を選ぶことが多いため、ボーディング(寮)の受入れ体制が整っており、そのなかからルールや協調性など多くの学びを得ることができます。
ボーディング(寮)は24時間生徒をサポートできる体制にしており、安全面でも安心できます。
積極性や発言力がつく
アメリカでは自分の意見や積極性を持つことが大事とされ、そのような環境で育ってきた現地の高校生と一緒に学生生活を送ることになります。
みんな他人に否定されることを恐れずに発言しますし、ほかの人と違った意見を言ったからといってバカにする人もいません。むしろ、自分の意見がない人のほうが悪い印象を持たれます。
このようなアメリカならではの環境で高校生活を送ることによって、自然と積極性や発言力が培われていきます。
自分で考える力がつく
アメリカでは日本のように暗記に重きをおいた学習はしません。
たとえば歴史の授業。日本では歴史上起こった出来事の名前と年号を暗記しますが、アメリカの場合、あなたが歴史上の人物だった場合、どのような行動を起こしたか、そしてそれはなぜか、という部分を問われます。
そして、その内容についてディスカッションさせます。
こういった授業内容のため、否が応でも自分で考える力がつき、常に「自分ならどうするか?」「なぜこうなっているのか?」と考える癖がついていきます。
受入れの地域(選択肢)が幅広い
アメリカは日本の約25倍の面積があり、50の州から成り立っています。
そのすべての州がそれぞれ特徴を持っており、高校留学の受入れを行っています。各州・各都市それぞれの利点があるため、自分のイメージに近い留学をしたいときに幅広い選択肢から地域を選ぶことができます。
才能を伸ばせる多様性のある体制
アメリカは個性と才能を重視する国。スポーツ、芸術、音楽など一芸に秀でる人がプロを目指して学びやすい環境作りをしています。
才能を認められれば、特別なビザを発行してもらったり、奨学金がもらえたりなど、才能を伸ばすという面で恵まれた環境の国といえます。
アメリカ高校留学の基本情報
アメリカ留学のタイプ
短期留学
部活や受験などで長期間は行くことはできないけど、中高校生時代に英語の環境にどっぷりつかってみたい、新しいことに挑戦してみたいという人向け。
春休みや夏休みを利用して2-3週間程度留学をすることができます。
また、3か月から半年程度、海外の高校に1学期から2学期間、短期留学することを「セメスター留学」と言います。セメスター留学は限られた期間現地校に通い、授業を受け、友人を作り、ホストファミリーと一緒に生活する経験ができるため、長期留学をする前のお試しとして行く人も多いのが短期留学です。
1年留学
日本の高校に籍を残したまま(留学届を出す)、10か月から1年程度留学をすることを『1年留学』と呼びます。海外の高校で学んできた科目を、日本の在籍校に認定してもらう事で、進級が可能な高校も増えてきていますが、在籍している高校の校長先生の方針によって変わってきます。留学して帰国した後、1学年落として、復学をしなければいけないという学校もありますので、在籍している学校に確認する必要があります。留学を決定する時点で一定の成績以上がないと進級を伴う留学として認定されない(=留年)という制度の高校も少なくありません。
また進級させてくれる高校の場合でも1年間抜けた学習については自分で補わなければなりません。そのため、大学受験を考えて、留学する時期を考えることも必要です。
在学中の1年間の留学と言えば、選考試験等を受けて公立高校へ留学する「交換留学」などの制度もあります。公立高校への留学のため、費用を抑えて、留学が出来るのがメリットですが、留学地域や高校の選択、卒業留学へ切り替えが出来ないといったデメリットもあります。
私費留学は、費用が若干高めですが、留学地域や高校の選択ができるため、1年間の留学を考えている場合はより自由度が高くなります。
卒業留学
留学生個人が自分の意思で海外の高校に進学し、卒業を目指すのが卒業留学です。
海外の高校の卒業を目指す卒業留学は、留学先で高卒資格を取得するため、2年以上の留学になります。私費留学になるため、自分で行きたい国や地域、学校を選択することができます。自分の希望にあった学校でやりたいことができるのが卒業留学のメリットです。現地の教育課程を修了することになるので、相当な覚悟や努力、その後の進路を含めた長期的な計画が必要になります。卒業留学を目指す場合は、ある程度の英語力が求められます。ESL(留学生のための英語コース)が充実している学校ならしっかりサポートを受けられるため、安心です。
現地高校のカリキュラムに基づき、卒業資格に必要な単位数を獲得する必要があります。英語力が十分でなく、単位取得が順調にいかなかった場合、場合によっては時間がかかることがあります。
卒業留学の条件
高額な費用
卒業留学の場合、費用は全て個人負担になります。年間400万~600万円くらいは覚悟しなくてはいけません。授業料、寮費、短い休暇期間のホームステイ代、長期休暇(夏)に帰国するための航空チケット代、医療保険などがかかります。
卒業留学の費用は毎年かかるので、長期的な計画と覚悟をもって考えなければいけません。
日本での成績:成績は良い方が良い
卒業留学をしたいと思ったら、希望する高校に出願をします。それまで在学していた学校の成績表が必要になります。中卒なら中学3年間の、高1なら中学2年から高1までの3年間分を提出します。
自分をアピールする
学校側が成績表以外に注目するのは、出席日数や生活態度です。学校の先生に書いてもらう推薦状もよく読むそうです。また出願してからのちに行われる面接は、緊張する必要はありませんが、自分を知ってもらえる格好のアピール時間と考えて、大いに好きなもの、得意なものを話すと良いかもしれません。
語学力は入学条件?
語学力の要求レベルは、留学生の入学する学年や留学する国によって違います。高い英語力を要求されることが多いアメリカでも日本の中3であるYear 9だと、求めてくる英語レベルはぐっと下がります。よほどの進学校でない限り、英語力のハードルは学年が低ければ低い傾向にあります。ニュージーランドでは、日本の高1の学年にあたるYear 11から高校卒業認定資格のNCEAというプログラムが始まります。長文のエッセイを書いたり、文章も読まなくてはいけないので、実際についていくのが大変になりますし、カナダでも現地の生徒たちが受ける「国語」であるEnglish 11,12は卒業に必須で、しかもレベルが高く、単位を取るのが難しいと言われています。
とはいえ、英語力が足りないからといって留学をあきらめなくても大丈夫です。どこの学校でも、留学生に最初から高い語学力を要求していません。最初は留学生向けのESLクラスで英語を学びながら、同学年の生徒たちと一緒に普通の科目も取っていきます。一生懸命ついていけば、必ず英語力が1年で飛躍的に上がることを実感するでしょう。英語力が足りないと思ったら、あきらめるのではなくまずはESLクラスを頑張る。それで良いと思います
留学サービス機関を利用する
留学サービス機関を使わなくても、個人で直接学校と交渉してボーディングスクールに留学をすることもできます。しかし、心配はそのあとです。入学に必要な学生ビザの申請、現地校から送られてくる大量の書類へのサイン、入学手続き。また入学後にホームシックになったり、学校の内外でトラブルを起こした時、学校と生徒の間に経って上手に対応できるのは保護者よりもこういう留学サービス機関なのです。思春期のお子さんに対応できるのは、第三者の方がスムーズにいくことも多いので、留学エージェントを利用するメリットをこういう時は享受するに越したことがありません。
留学にはそれぞれメリット、デメリットがあります。こうしたことをよく理解してから、留学を決めましょう。しっかりとカウンセリングでお伝えしますので、不安な点、分からない点がありましたら、遠慮なくお問合せください。
サマーキャンプ
私立のボーディングスクールでは、留学生は寮に滞在し、午前(ESLクラスやその他勉強科目)、午後(アクティビティ)の2部構成で、1週間から6週間のサマーコースを開催しています。学校によって内容や期間は異なりますが、夏の期間だけ寮生活をしてみたい、アメリカ留学をしてみたいという留学生が経験できる内容になっています。
公立高校
アメリカでは高校は義務教育なので公立の高校は日本の公立中学と同様、学区が決められていて住んでいる地域にある高校に行きます。アメリカでは生徒たちが義務教育を終えることを第一の目標に置いているので、学習のペースは日本に比べてのんびりしているかもしれません。学費は無料で教科書も無償で貸与されます。昼食はカフェで無料で食べることができます。数学や理科は日本で習っている内容の方がはるかに難しいため、アメリカで留学をする際にはアドバンテージになる科目です。
アメリカの公立高校に通う場合は、短期留学か1年留学になります。
私立高校
1年以上の留学や卒業を目指している場合は、私立高校への入学を考えることになります。州の管理を受けず、独自の教育方針のもとカリキュラムを組めるため、各私立高校は特色が異なります。私立高校に入学するためには推薦状や学校の成績表の提出、書類審査と面接に合格しなければならず、学費も決して安くありませんが、学校や先生、学校生活の満足度はやはり私立高校の生徒の方が公立高校よりも高くなっています。
滞在方法は、寮かホームステイか
アメリカの高校留学では、滞在方法の選択肢はボーディング(寮)かホームステイです。とはいえ数では圧倒的にボーディングが多いです。ホームステイとボーディング、どちらが良いだろうと迷った場合、その違いをお伝えして、ご自身の目的に合う滞在方法をサポートします。
ホームステイとは?
留学生の受け入れを行っている現地の一般家庭に滞在することをホームステイと言います。「現地の文化や生活を直接感じたい」「より自然な外国語を習得したい」と考えている学生向き。宿泊先の手配は、申し込みをした学校かホームステイ手配会社が行なうケースがほとんどです。ホームステイ先では、自分が使用する部屋にベッドや机、クローゼットなどが用意されていることが一般的です。部屋を個室で使える場合や、他の国から来た留学生やホストファミリーの子どもと相部屋の場合もあります。日本人同士で同じホストファミリー宅にお世話になることはまずありません。
家族の一員として生活をしているのだという自覚をもって、ホームステイ先のルールを守る、家事を快く引き受ける、コミュニケーションを常にはかるなどして、ホストファミリーとの関係を良好に築いていく必要があります。
ボーディングスクールとは?
ボーディングスクールとは親元を離れて、学生寮で生活しながら高校生活を送る寮生の高校のことをいいます。様々な国から来た留学生と学生寮での共同生活を通して、24時間体制で勉強はもちろん、スポーツ、芸術、ボランティアなど様々な活動に集中することができます。滞在先となる学生寮には、ボーディングペアレンツと呼ばれるスタッフやナースが常駐し、勉強面や生活面をサポートしています。ボーディングスクールは個々の生徒の人間力を高め、リーダーシップを発揮することができる人材の育成を目的としています。
アメリカの教育システム
日本の小中高=6・3・3にあたる区分は、日本の中学3年生はアメリカでは高校1年生になります。9年生をFreshmanといい、順次10年生をSophomore, 11年生をJunior, 12年生をSeniorと呼びます。
日本の中学校を3月に卒業して、その年の9月にアメリカに留学したい場合は10年生(Sophomore)として入学し、3年後の5-6月に卒業するのが一般的です。
留学生のための英語補修クラス(ESL)
留学生は英語力のハンディがあるので、留学してすぐに学校の授業に参加して、積極的に発言をしてというのは難しいです。そこで各学校には留学生のための特別英語クラス(ESLクラス)があります。各高校ではレベルごとにESLクラスを提供しており、留学生サポートが充実しています。英語力が一定の水準に達していない場合は、ESLクラスをとり、英語力向上を目指します。単位として換算してもらえることが多いです。
卒業までに高い英語力がつき、大学進学への準備がしっかりできます。また、TOEFLサポートが必要な場合は、家庭教師の手配や放課後特別レッスンがあるという学校もあります。
クラブ活動について
アメリカのクラブ活動、課外活動の特徴は、その種類の多さとシーズン制にあります。日本のように一度部活を決めたら、それをずっと続ける必要はありません。途中で違うスポーツに変えることも全然問題ありません。
野球、バスケットボール、クロスカントリー、ゴルフ、ラクロス、馬術、ソフトボール、水泳、バレーボールなど。秋、冬、春のシーズン制でスポーツをすることができます。スポーツに特化した学校もあり、将来特定のスポーツにおいてプロ選手を目指したい学生はお問合せください。
スポーツ以外の芸術活動やクラブ活動もとても盛んです。マーチングバンド、チアリーディング、ジャズなどいかにもアメリカらしいものもたくさんありますし、音楽が好きな人は、ピアノやバイオリンをはじめとする楽器の個人教授も受けられます。フィッシング(釣り部)や乗馬、飛行機の操縦に挑戦するというチャンスも日本ではなかなかないですね。そのほか、美術やダンス、ボランティア活動、イヤーブックの制作など様々な活動があります。
芸術系の科目
3Dアートデザイン、ギター、デッサン、演劇、ミュージカル、写真、彫刻、美術史、プログラミング、ペインティングなど、日本の高校ではやったことも習ったこともない科目をアメリカでは選択できます。
AP(アドバンスト・プログラム)とは
APプログラムとは、高校在学中に、大学の入門レベルのカリキュラムが学べるプログラムです。SATで知られるアメリカの非営利団体「カレッジボード」によって運営され、IB(国際バカロレア)と同様に、学習に対する意欲が高い高校生を対象とした高度な教育プログラムとして、世界的に認知されています。アメリカの高校生がAPコースを履修する目的のひとつとして、大学進学を有利に進めることが挙げられます。高校によって開講しているAP科目の数と種類は異なります。授業のレベルが高く、勉強も大変になりますが、アメリカの大学に出願する際には、AP科目をとっていること自体がプラスに評価されます。
IBプログラムとは
International Baccalaureate(国際バカロレア)とは、世界中を転勤する家庭の子どもが、大学に進学できるように国際的に認められる資格を作ろう!という動きから1968年にジュネーブで発足した大学入学資格。
国際バカロレアは全人格教育として、目指す10の学習者像というのを明確にしています。
学校の施設について
アメリカのボーディングスクールは、日本では考えられないほどの広大な敷地の中に建てられています。またニューイングランド地方にあるボーディングスクールは特に1800年代や1900年代初期に創設された歴史と伝統がある学校が多いです。広大なキャンパスに講堂、ダンススタジオ、スポーツスタジアム、野球場、コンピュータルーム、寮があります。
高校留学の準備の進め方
アメリカの高校に留学したいと思ったら、準備しなければいけないことがたくさんあります。まずは志望校選びです。どの高校が自分に適しているのか、たくさんの高校を比較して検討していかなければなりません。留学費用も決して安くありませんから、志望校選びにおいては、自分自身と向き合って決めていく必要があります。
入学基準は?
アメリカの高校に入学するためには、英語力と成績が求められ、日本人留学生にとっては非常に高いレベル設定となっています。しかし、各学校にはESLクラスが充実しており、入学してからのサポートで英語力の飛躍につながることも多く、個人のやる気がある限り、あきらめずにチャレンジしてみる価値は多いにあります。
外部英語テストを受ける
また出願書類には、TOEFLやIELTS、Duolingoといった英語のテストスコアを提出させる学校が多いです。
事前に英語のテストを何回か受けて、その中で良いスコアを提出するなど、事前にできることは留学を思い立った時期から始めていても良いでしょう。
リサーチ
出願者自身が通う学校は自分の希望ややりたいことを可能にしてくれる学校を選びたいものです。情報収集にあたっては、条件検索ででてきた学校を中心に、ホームページで雰囲気をつかんだり、提供されている科目内容がやりたい分野かどうか、どんな部活があるか確認したり、自分のこだわりを含め、自分自身が納得して、行きたいと思える学校に最終的に決めるのが理想です。
アメリカ高校留学の志望校の選び方
検索エンジンを使って、数ある学校を絞っていきましょう。アメリカには300以上のボーディングスクールがあります。海外は初めてだし、住んだこともないのにどう決めたらいいのか、全く見当がつかないというのが本音ではないでしょうか。
行きたい地域はどこか。
ボーディングスクールは、アメリカ東部から北東部に数多くあります。とくにニューイングランド地方(メイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州)には伝統的なボーディングスクールが多くあります。ESLコースも充実しており、留学生の受け入れも慣れています。またアメリカ西部はホームステイが多く、寮ではなく、ホストファミリーと暮らしたいという場合、アメリカ西部も選択肢に入ります。暖かい地域がいいのか、雪が降る寒い地域でも問題ないのかなど、環境も大事な指標です。ウィンタースポーツが好きな人は雪が降る地域で思いっきりスポーツにいそしめますし、テニスや野球、ゴルフなどをやりたい人は雪が降る地域ではスポーツができる期間が短くなってしまいますから、そういった条件から行きたい地域をしぼるのも手です。
学校のタイプ
共学が良いのか、別学(男子校・女子校)か。自分はどっちの環境の方が落ち着くのかを自身に問いてみるのも良いですね。別学は別学の良さがあり、落ち着いた環境で勉強やスポーツにうちこめます。全校生徒数や留学生の割合、日本人留学生の割合といったデータも参考にしたい指標です。生徒数は大人数が良いのか。ケアが行き届く少人数が良いのか。
アメリカの私立高校の多くはキリスト教系です。学校によって宗教色の強い、弱いはありますが、信徒でなければ入れないということはありません。博愛の精神があり、温かくフレンドリーな学校が多いです。
予算はいくらまでなら大丈夫か。
ボーディングスクールの1年間の費用は、学費と寮・食費をあわせて40,000~60,000ドルくらいです。アカデミックレベルの高い高校ほど学費も高くなる傾向がありますが、費用が高い分、それなりの教育と人脈につながるなどメリットもあります。家庭ごとの予算があるかと思いますので、予算はいくらまでというラインを決めて志望校選びをした方が良いでしょう。
こだわりポイント
さらにこだわっているポイントがあれば、そうした希望を条件に入れて志望校を決めていけば良いでしょう。アメリカに行ったのだからこれを勉強してみたいという選択科目やシーズンごとにかわるスポーツなどの課外活動の種類も生徒によっては重要チェック項目に入ります。法律やビジネスを勉強してみたい、この学校のスポーツチームに入ってみたい等、やりたいこと、好きなことが分かっている場合も志望校選びのポイントにしましょう。
例えば、宗教色が強い学校は苦手だ、野球が強い学校が良い、スキーやホッケーといったウィンタースポーツのスキルを留学先でも伸ばしたい、アートが強い学校で勉強したいなど、留学先で自分はどういう高校生活を送りたいのかと思い描いてみるといいですね。
出願時期
毎年 9 月から 翌年1月末が出願時期になっています。Rolling admission といい、年間いつでもアプリケーションを受け付けている学校もあります。この場合は留学生枠の空き状況次第でアプリケーションの受付を行ってくれます。
入学時期
アメリカでは基本的には、8月中旬から新学期が始まることが多いです。
学校によっては、1学期が終わった時点で、2学期が始まるタイミングで入学を受け付けてくれる学校もありますので、お問い合わせください。
出願書類と合格するためのポイント
求められる英語力
アメリカのボーディングスクールで高校留学をしたいと思ったら、英語力のアップに注力しましょう。9年生や10年生での留学の場合は、求められる英語レベルは低くなりますが、11年生と12年生での留学は高校生として高度な科目を履修することから英語レベルは高いラインを求められます。ESLクラスがある学校を基本的にはご紹介していますが、アメリカ留学のボーディングの場合、英語力はあるにこしたことはありません。
在籍校での成績
高校が合否を決める際に最も重視するのが中学校の成績です。出願時には、過去2年間の学校の成績証明書と今の成績証明書の提出が必要ですので、現在中学3年生で日本の学校に在籍している場合は、中学1年生と2年生の成績と3年生時の2学期までの成績を願書に添えて提出します。そして中学校を卒業した時点で、3学期の成績もあわせた成績証明書を、再度、高校に提出します。
日本の高校に1年在学してからアメリカのボーディングスクールに留学する場合は、中学校の成績に加えて、高校1年次の成績も提出します。学力や学習態度、取り組み方をはかる上で、どこの高校も成績証明書は大事な資料になります。
エッセイ
出願時に出す書類の一つとしてエッセイがあります。アメリカの高校側はエッセイに書かれた内容から出願者の人となりやこれまでやってきたこと、考え方、価値観をエッセイから読み取ります。自己アピールの場であり、自分らしさやユニークさ、自分の思いをエッセイにぶつける良いチャンスだと考えましょう。
また出願時に、学校によってはエッセイの他に下記のような家族構成や自身の情報など文章で入力しなくてはいけません。普段から作文やエッセイを書く練習をしたり、自分のことを分析しておくといいですね。
- 学校の課題図書を除いて、この1年間で最も楽しんだ本、記事、ポッドキャスト、映画は何ですか。またその理由は?
- 自分を誇りに思うことは何ですか。
- あなたは学校でどのように優秀でしたか。学生としてどのように向上することができますか。それぞれの質問に1つの例を挙げてください。
- あなたの人生や考え方に影響を与えた出来事や活動を説明してください。
- 過去2年以内に参加した課外活動は何ですか。
- 入学したら参加してみたいアクティビティは何ですか。
推薦状
ほとんどの高校では、出願時に3人分の推薦状を求めています。校長先生、英語の先生、数学の先生です。さらに出願者のことをよく知っている人(部活の顧問の先生や習い事の先生など)からの推薦状も任意で提出するのも良いでしょう。
SSATテスト
アメリカの多くのボーディングスクールが、出願書類の一つとして提出を求めていることがあります。SSAT®テスト(Secondary School Admission Test)は、アメリカとその他の国で5年生~12年生を対象として行われる、数学と英語のテストです。現地の中学生も受けて出願時に提出するテストなので、日本の中高生が英語のセクションで高得点をとるのはむずかしいですが、数学で良いスコアは取れると思います。
提出を求められる英語テストスコア
アメリカの高校が一般的に出願者に提出を求めているテストスコアは、TOEFL®テストがあります。TOEFL®Junior、IELTS、最近ではDuolingoテストのスコアでも出願できる学校があります。Duolingoは、TOEFLより受験料も安く、自宅のパソコンで手軽に受験することができ、試験結果も2日ほどで分かります。1ヶ月に2回再受験できるというのも、良いスコアを目指す受験生にとってはありがたいですね。
面接
出願書類を提出した後、学校側から面接(インタビュー)の案内が来ます。学校側にとって、合否を出す前に行う面接はとても重要です。最近では、Zoomなどを使って面接が行われます。出願者の性格や家族について、好きな科目やクラブ活動などを中心にカジュアルな雰囲気で質問が展開されます。冗談を言ってくれたりして、笑いのある面接時間になりますので、リラックスして望んで大丈夫です。この面接で学校の留学担当スタッフは、出願者の英語力をはかっていて、入学後のESLクラスのレベル分けにも反映されます。
審査申請(Apply)
アメリカの高校には一斉に行う入学試験や受験という制度はありません。審査申請をした個人の入学の可否を学校側が提出書類をもとに判定しています。中学校の成績やエッセイ、推薦状、テストスコアなどさまざまな審査対象を総合的に評価し、合否を判断します。私立ボーディングスクールの留学生受入れ審査は様々な角度からおこなれますが、もし英語力や成績が悪かったとしてもあきらめる必要はありません。好奇心ややる気、これはと思う個性や特技があれば、面接やエッセイでアピールをしてみましょう。入学の機会も、1回だけではない学校もあります。後期の授業が始まる1月入学を受け付ける学校もあります。ですから、9月と1月に入学できる機会があります。また、寮に空きがあれば、入学を考慮してくれる学校もあります。
合格をもらったら?
無事に志望校から合格をもらったら、学生ビザ取得に向けて、準備をします。アメリカへ留学するためには、ビザが必要です。卒業留学の場合は、アメリカ大使館・領事館で学生ビザ(F1ビザ)を取得する必要があります。受けいれてもらえる学校の入学許可証(I-20)が取れたら、ビザの申請をします。
以前はアメリカ大使館・領事館で面接をしてはじめて学生ビザが下りるというプロセスがありましたが、近年郵送で申請を受け付けてくれるようになりました。
ビザがおりて初めて、留学手続きが完了します。日本の中学・高校を退学する手続きは確実に学生ビザが降りてからにしましょう。
アメリカ高校生活について
1年間のスケジュール
多くのボーディングスクールの1年間のスケジュールはこのような感じです。
秋学期:8月中旬から11月末、冬楽器:12月から(クリスマス休暇)~3月中旬、春学期:3月下旬から6月初旬と3学期制を取る学校が多いです。
ボーディングでは、1年に4回寮が閉まります。まずは11月末のサンクスギビング(感謝祭)、12月中旬から始まるクリスマス休暇(冬休み)、3月初旬の春休み、そして夏休みです。
期間がそれぞれ1-2週間ほどの感謝祭、クリスマス、春休みは、寮が閉まってしまっても学校側がホームステイ先を紹介してくれます。
夏休みは6月から8月まで約3か月間あります。学校の寮が閉まってしまうので、夏休みに多くの留学生は日本に一時帰国します。高校側も一年に一度は家族のもとに帰った方が子供たちにとっても良いことだと奨励しているようです。ホームステイをしている場合は、ホストファミリーが受け入れてくれるのであれば、そのまま夏休み期間中も滞在することができます。
サマースクールに参加する人も少なくありません。英語力を伸ばしたいといった留学生にとっては夏休みも学びの場になります。単位取得が可能な上、他の学校で受けても自分の学校の卒業単位として認めてもらえます。
サマースクールは、寮に滞在しながら勉強だけでなく、カヌーやカヤック、マウンテンバイク、ハイキングといったアクティビティを午後におこなうので、その地域ならではの夏の楽しいアクティビティを堪能できるメリットがあります。
ある学校の1日のスケジュール
6:00
WIFIの電源が入る。起床、準備。
7:00
朝食
7:45 - 15:00
授業
15:00 - 17:00
課外活動
17:30 - 18:15
夕食
19:00 - 20:30
スタディホールでスタディタイム
22:00
静かに過ごす時間
23:00
就寝時間
0:00
WIFI電源が切れる。
週末の過ごし方
どのボーディングスクールでも、留学生を暇にさせない工夫とアクティビティを考えてくれています。週の後半になると週末のアクティビティシートが掲示板にはられます。留学生たちは、興味のあるアクティビティがあったら、用紙に〇をつけて参加を表明します。ボーディングペアレンツ自ら運転して地元のショッピングモールに連れて行ってくれたり、映画館やボーリング、カヌーやハイキング、マウンテンバイクといったアクティビティが数多く計画されているので、週末は寮生と楽しい時間を過ごすことができます。参加したくない場合は、もちろん自分なりの過ごし方もできます。
8:30
朝食
12:00
昼食
12:45 - 17:00
フリータイムorアクティビティ参加
17:30 - 18:15
夕食
18:15 - 23:00
フリータイム
23:00
静かにする時間
23:30
消灯
日曜日は、夕飯後は平日のスケジュールになるため、19時よりスタディホールにてスタディタイム。日頃のルーティンを壊さず、勉強と楽しい時間を両立させていこうという考え方です。
アメリカの休日・休暇
夏休みは2か月半、サンクスギビングは1週間、冬休みはクリスマスを中心に約3週間、イースターバケーションと言われる春休みは2週間。留学生にとっては、こうした長い休暇があると困るのが住むところです。寮は基本的に閉まってしまうので、学校が手配するホームステイ先に移動するか、自分たちの母国に帰国します。
アメリカの高校の授業
どのように授業を受けたらよいのか。
アメリカの高校生活は当たり前ですが全ての授業が英語です。日本人留学生にとっては、英語にハンディがあると思います。アメリカでは、アメリカ人生徒の方も自ら自分のプラス面やできることをアピールします。個性と長所を認めて伸ばしてくれるのがアメリカの学校の魅力です。決して減点方式ではなく、「できることを認めてくれる」のです。留学生を受け入れているボーディングスクールのクラスは、いずれも少人数制です。先生対生徒の割合は多くても1体12くらいで、少ないと5人という学校もあります。
必ず授業に出席し、授業に集中しましょう。成績はテストだけではありません。出席率、宿題提出率、クラスでの授業態度、ディスカッションへの参加率・・・。いかに先生に良い印象を与えられるか、先生に認めてもらえるか、頑張っているのをアピールできるか、英語にハンディをもった留学生であるならば、分からないことがあれば、どんどん質問しに行ったり、まずはできることからがんばってみるのがいいですね。
先生もスタッフも助けてくれる
学校の先生たちは留学生に対してとてもきめ細かい指導をしてくれます。特にESLの先生は毎年留学生の面倒をみてきているので、留学生の悩みやトラブル、ホームシックへの対応などをよく知っています。留学生にとって頼りになるのは、学科の先生の他に、生活カウンセリングや進路カウンセラー、ボーディングペアレンツ(寮のスタッフさん)などがいます。
このように学校には多くの先生やスタッフが相談に乗ってくれ、多くの見守りがあります。悩みがあれば自分から援助を求めにいくことで、慣れない留学生活が快適に変わってきます。
授業はディスカッションスタイル
アメリカでは発想や考え方を重視しているので、小学生の頃から同級生の前にでて、発表やプレゼンテーションをすることに慣れています。学校の授業でも、先生が講義をして生徒は静かにノートをとって授業が終わるというスタイルではありません。授業にでて、ただ座っている姿勢ではアメリカの高校では欠席扱いと同じです。生徒が活発に自らの意見を言うディスカッションや質疑応答が授業中は盛んにおこなわれ、先生も生徒の積極さをおおいに歓迎します。アメリカの高校では、知識を増やし暗記をすることだけでなく、自分の意見をしっかり持ち、表現することが大切にされます。
クラス人数が少ない学校であれば、授業では1回はあてられたり、自分の意見を求められることもでてきます。とはいえ、留学したばかりでは必死に英語に耳を傾けて何を議論しているのか理解することで精いっぱいだよ、という声も聞こえてきそうです。慣れてきたら、短い言葉でも発言できるように心がけるといいですよ。
宿題
1教科あたり大量の読書量がでます。分からない単語ばかりでてきて、辞書ばかりひいてなかなか前に進まない、20ページ分も1日で読むのは無理といった悲鳴が聞こえてきそうです。あなたならどう行動するか、どう考えるかといった自分の意見を問うオリジナリティを求める宿題もでます。
クラス人数が少ない学校であれば、授業では1回はあてられたり、自分の意見を求められることもでてきます。とはいえ、留学したばかりでは必死に英語に耳を傾けて何を議論しているのか理解することで精いっぱいだよ、という声も聞こえてきそうです。慣れてきたら、短い言葉でも発言できるように心がけるといいですよ。
成績
成績はテストの結果だけでなく、授業態度、授業への貢献度、レポート力、出欠などいくつかの要素を考慮してABCDFの5段階でつけられます。このアルファベットを5、4、3、2、1、0の数字に換算したものをGrade Pointといい、その平均値をGrade Point Average、略してGPA(ジーピーエー)といいます。成績の平均値であるGPAの計算式は、(履修した科目のGrade Point×それぞれの科目の単位数)の合計÷総単位数です。オールAを修めればGPAは4.0ということになります。だいたいGPAが3.5以上であれば、優秀な成績とみなされます。アメリカの大学進学において、最も重視されるのがこのGPAです。高校の成績が良いことが、よりレベルの高い大学への進学につながります。
テスト
テストは自分の意見を表現するのが中心で、穴埋め問題や選択肢問題は日本ほど多くありません。それよりも授業で何を学んだのか、それに関して、「あなたはどう思うのか、それを言葉で表現してください」といった感じです。宿題も資料を読んで意見をまとめるというのが多いです。成績は絶対評価ですので、クラス全員がAをとるということもアメリカではあります。
日本文化を勉強しておく
アメリカの学校では、いかにディスカッションに参加するか。積極性がものをいいます。
日本にいる間に日本の歴史や政治、文化、またアメリカの政治、歴史などの本を読んでおきましょう。既に日本に関する知識が頭の中に入っていれば、授業中に「日本ではどうですか?」と聞かれた際に応えることができます。学校だけでなく、寮生活において、自分の国「日本」については友人や教師らから聞かれることが多いと思って、事前にノートにでもまとめて準備をしておくといいですよ。
日本について話すことは、クラスメイトたちに日本文化を知ってもらう良い機会になるだけでなく、授業における積極性や発言力につながりますし、良いこと尽くしなのです。
留学までのプロセス
アメリカ留学をしたいと思ったら?出願の流れ
1留学カウンセリングを受ける
2テストを受ける
3学校選び
4出願
アメリカ高校留学の入学申請に必要な書類とは?
- 願書
- 現在+過去3 年間の成績証明書(英語)
- 出願費用(審査料)
- 現在の学校の校長先⽣、または、担任の先生からの推薦書(英語)
- 英文エッセイ(自己紹介・カナダに留学したい理由・将来の目標など)
- 証明写真
- 財政能力証明書
5面接
ボーディングスクールの面接では、学校側は「どんな生徒なんだろう。うちの学校に合っているのかな」と興味津々で生徒に話しかけていきます。生徒側は「自分はこういうことが好きでこんな人間です」ということをアピールする絶好の機会になりますので、あらかじめ自分についてこれまでの人生を振り返り、話す内容を考えておくのも緊張しない手段の一つです。落とそうと思って行う面接ではないので、むしろ気楽に望むのが良いでしょう。この面接を通して、生徒の英語力を判断し、入学した後のESLコースのレベル判断にもつなげます。